格安航空券を提供する航空会社の違い
国内旅行・飛行機・航空券について調べることがあるなら、旅行を楽しむ準備をスタートさせているはずです。
しかし、航空券とはいっても価格は格差があります。往復航空券ともなれば数十万円にもなるため、比較・検討するために「格安航空券」から選ぶこともあるでしょう。格安といえば「LCC」が真っ先に浮かぶ方も多いはずです。
この記事では、「格安航空券の違い」についてご説明していきます。格安だから質が悪いのか、そこもしっかり確認できる内容ですから、最後まで、目を通してみてください。
「LCC」について
国内旅行・飛行機・航空券・格安と検索するときに気になるキーワードとして「LCC」という言葉が頻繁に出てきます。LCCとは航空会社になりますが、LCCの安さのヒミツをここからはご紹介します。
まず、LCCとは「Low Cost Carrier(ローコストキャリア)」の頭文字をとっている格安航空会社のことです。
例えば、国内旅行でも知名度のあるANAやJALなどの既存の航空会社については「Full Service Carrier(フルサービスキャリア)」と呼びますが、こうした大手となるフルサービスキャリアに比べて割安となる航空券を提供しているのが最大の特徴です。
では、LCCとフルサービスキャリアの違いをご紹介していきます。
LCCと他の航空会社との違いについて
日本でも知名度抜群のフルサービスキャリアについて理解ができたところで、航空会社についてお話しておきます。
航空会社は、LCC、FSC、その中間には「第三の航空会社」があり、この第三となる航空会社は、地方など特定の地域を就航している航空会社にあたります。
ではここから「格安航空券を提供するLCCと他の航空会社との違い」について一つ一つご紹介します。
価格
LCC各社では大手となるJALやANAで提供されている無料サービスを省略していることに違いが開きます。便数を調整してコストを削減しているため、他の航空会社より格安航空券を提供できています。
機内サービス
大手JALやANAを利用した経験があるのなら、知っているでしょう。機内食、ドリンク、映画や音楽などのエンターテインメントなどのサービスについて無料で利用できます。しかし、LCCでは機内食も有料となり、エンターテインメントの提供をしていないことが特徴です。その違いが格安航空券として反映されています。
預け荷物
飛行機に乗る際に荷物を預けることになりますが、LCCの場合には有料サービスになります。検討しやすいように国内線の15キロまでの預け荷物の料金について3,500円なのに対し、大手となるJALやANAなどはサイズや重量に制限があるものの、無料で預けることが可能です。格安航空券の違いには荷物預りも関係してきます。
受託手荷物の運送料はLCCにとって重要な収入源の1つになり、大きさや重さの測り方も厳しめだといわれています。背荷物ひとつでバックパッカーのように旅をするのであれば問題ありませんが、ショッピングを楽しんだりキャリーバッグを引いて行く場合は、注意しましょう。
座席指定
国内旅行でも飛行機に搭乗するのなら、座席指定をしたいはずです。その際、大手をはじめ、第三の航空会社の場合には無料で座席指定が可能ですが、格安航空券を提供するLCCでは、手数料が発生します。
予約・支払い手数料
LCCは格安と謳うだけに、チケットを予約する時に払う予約手数料が発生します。くわえて、支払手数料など各種手数料が発生することもあります。なお、手数料の金額については予約方法や国内線や国際線により変わってきますから、確認は公式サイトから行いましょう。
LCCが安い理由について
これまでLCCのサービスについて少し理解できたでしょうか。どうして、他の航空会社と違って航空運賃が安いのか、ここではLCCの安さの秘密について少しご紹介しましょう。
座席数の多さについて
LCC各社では、搭乗者のために座席数を増やしています。なるべく多くの乗客を乗せられるように配慮しています。
例えば、大手航空会社などで使用されている「A320」機については、166席あります。それに比べて、LCC各社で使用されている飛行機では約180席と多くなっています。
もちろん、座席数を増やす分だけ、座席の幅が窮屈になってしまいますが、安い航空券を購入したいのならやむを得ないかもしれません。
機内設備がシンプル
大手になるANAやJALでは、座席モニターやエンタメ機器を利用することが可能で、映画や音楽を楽しめる内容です。しかし、LCC各社ではそれらの設備が設けられていません。機内設備をシンプルにすることで初期費用であったり、メンテナンス費を抑えられていることが窺い知れるでしょう。
無料サービスを有料化に
LCC各社では、先に紹介したように機内食、ドリンク類を無料サービスとしていません。有料で提供しています。食べ物や飲みものの原価を考えたり、配膳する人件費も考えると有料サービスにすることでコストを最低限に抑えているのではと考えられています。
早朝・深夜便を活用
LCC各社は、飛行機が空港に駐機する際にどうしても必要になる駐機料を抑えるための策を考えています。その策が、駐機時間を短くすることです。
そこで、早朝、深夜便を安い料金で提供しています。本来なら利用者の少ない早朝や深夜ですが、格安航空券であれば集客率が上がるため問題はありません。
航空券の予約はインターネットを使用
大手航空会社の多くはインターネット予約だけでなく、一般的に支店、窓口、旅行会社を通じて航空券を予約することができます。幅広い予約システムがあるのですが、LCC各社はインターネット予約が中心です。ネット上でのやり取りで予約が完結するため、格安航空券を販売できています。
航空機を統一
大手航空会社では様々な航空機を使用していますが、LCC各社で使用する航空機は一種類と統一しています。それには理由もあり、航空機の免許は機種ごとに異なるためです。
LCC・格安航空のメリット
格安航空のLCCには、格安とは思えないさまざまなメリットがあります。リーズナブルでも侮れない、注目ポイントを紹介しましょう。
LCCは格安でもJALやANAと変わらず安全
LCCと他の航空会社との違いについては、航空運賃が格安であることが挙げられます。しかし、なかには「LCCは安いから危ないのでは?」と思う方もいるでしょう。
しかし、格安であってもJALやANAと同様に国の法律に基づいて実施された審査をクリアしている会社ですから、安心して乗ることができます。その安心について最後にご紹介しておきます。
スキルの高いパイロットがいる
航空会社でパイロットを育てるのにはかなりの費用がかかります。なかには、数億円ほどかかるといわれています。このため、各LCC会社ではスキルを身に付けた熟練パイロットの引き抜きを行っており、十分に経験を積んだパイロットを起用しています。
そのため、安心安全な空の旅が実現しています。
使用している航空機が新しい
飛行機は使用年数が古いほどメンテナンスなどのコストが発生します。そのため、LCCでは新しい航空機を購入しています。くわえて、LCCはピーチ、ジェットスター、バニラエアなど、親会社や出資や支援を行ってくれる会社により支えられています。大企業ばかりなので、安心できるといえるでしょう。
LCC・格安航空のデメリット
とにかく安く、余計なサービスがない点に違いがあるLCCの格安航空券ですが、デメリットもご紹介しておきます。
- 荷物を預けるのに料金がかかる
- 機内での食事やドリンクはほとんどが有料
- 空港のチェックインカウンターがフルサービスキャリアより遠いところにある
- キャンセル料が高めの設定
- シートが狭め
- マイレージサービスがない会社が多い
キャンセルや変更ができないプランが多い
特に知っておきたいデメリットは、キャンセルや変更が不可となっているものが多い点です。
キャンセルや頻繁な便変更により収益が不安定化するのを防ぐためですが、格安航空券を購入したばかりに、キャンセルができないことはデメリットになりえるでしょう。
もし購入した便に乗れないとなると、その航空券は無駄になってしまいますし、セキュリティの問題から、他人に転売したり譲渡したりすることはできません。乗るかどうかまだ不確実で予約することは避けましょう。
格安航空のデメリットについて、詳しくは「格安航空券のデメリットは多い?気になるデメリットについて」で解説しています。
おわりに
「LCCは安いから危ないのでは」と思う方もいるかもしれませんが、安く航空券を提供できるのはサービスを省いたり、座席数の増加などの工夫をしているからです。決して設備に不備があるから、パイロットが経験不足だからといった悪評もありません。
航空券代を安く抑えて旅先で贅沢をしたいというならLCCをおすすめします。しかし、国内旅行でも機内で快適に過ごしたいのならJAL・ANAなどを利用しても良いでしょうし、課金しても良いでしょう。旅の目的やテーマにあわせて航空会社を選んでみてください。
今回は、格安航空券 違いについてご紹介しましたが、格安だからデメリットが多いわけでもありません。乗客の安心安全のためにしっかりとしたメンテナンスや安全確保をおこなっています。
また、大手のフルサービスキャリアであっても、早割のような特別なプランの場合には、キャンセルや変更に関する規定が通常より厳しい場合もあります。
どちらがいい悪いというわけではありません。サービスについてはキャビンアテンダントさんの笑顔だけでまかなえることもありますし、一緒に旅行する方がいれば問題ない場合もあります。
大事になるのは往復する飛行機が無事に飛び立ち、無事に降りてくれるかでしょう。安心安全な飛行機を選ぶことは難しいでしょうが、それを考えてくれる航空会社がたくさんありますから、色々と乗り比べてみても楽しいのではないでしょうか。
安心安全な空の旅をぜひ楽しんでください。